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結晶化遅延効果とは?

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ニグロシンの結晶化遅延効果について
プラスチックのような高分子化合物は低分子化合物と違い、融点より低い温度で固化点(結晶化点)が存在します。
プラスチックに添加剤やカーボンブラックを加えると、その粒子が結晶核となり結晶の生成が促進されます。
その為、無添加のプラスチックよりも固化点が高くなります(造核効果)。
それに対しニグロシン染料は添加すると、無添加のプラスチックよりも固化点が低くなる性質を持っています。
このような現象を「結晶化遅延効果[Crystalline retardation effect]」と呼んでいます。
この効果はプラスチックの分子量に影響せず、融点も無添加の時と変わりません。
このような結晶化遅延効果を発現する化合物は、ニグロシン系材料以外には見出されていません。
ニグロシン染料、カーボンブラックを添加したプラスチックが加熱溶融してから冷却、固化するまでの現象を下図に示しました。

ニグロシンの結晶化遅延効果について

結晶化遅延効果

プレートの結晶状態
条件:6-ナイロン樹脂を偏光顕微鏡(300倍)で観察

プレートの結晶状態

DSC(示差走査熱量測定)結果
実際の融点と固化点を調べる為にDSC測定を行いました。結果を下図に示します。
下図中において、上に出ているピークが、樹脂の固化点を示しています。
ニグロシン染料を添加していくと固化点が低くなっている事がわかります。
下に出ている融点のピークはニグロシンを添加しても変化がない事から、樹脂の分子量に影響していない事がわかります。

DSC(示差走査熱量測定)結果

結晶化遅延効果の具体的な現象
1)結
晶核の発生数が少なくなる。
実際に結晶核(球晶)が少なくなっているのか調べる為、単位面積当たりの球晶の数を目視にて確認してみました。
下記の表からもニグロシン添加量を増やして行く程、球晶の数は減少している事がわかります。

結晶化遅延効果の具体的な現象

2)冷却時に結晶核が発生し難く、低い温度で核が発生する。

3)結晶の成長速度が遅くなる。
下記にニグロシンを添加した時のPA66樹脂の等温DSC(230℃)チャートを示しました。
縦軸は結晶化熱量を横軸は時間を示しています。
ニグロシンを添加していくとピークが右側にシフトし、結晶核の発生が遅くなっている事がわかります。
また、ピーク幅がニグロシン添加量に比例しブロードになっている事から、結晶の成長速度が遅くなっている事がわかります。

等温DSC。PA66 ニグロシンの温度変化

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