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ニグロシン染料の不思議

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ニグロシン染料には樹脂の結晶化を遅くする、結晶化遅延効果と言う不思議な性質があります。
この効果は樹脂成形物にたくさんのメリットを与えます。
例えば、成形物の表面を平滑にして光沢性を上げたり、成形時の樹脂の流動性を良くし、成形性を向上させる事が出来ます。
このようにニグロシン染料は黒色色材と言うだけでなく、樹脂や種々の材料と合わせる事により様々な力を発揮します。


そう言ったニグロシン染料の不思議な性質は他にもあります。
ここではカーボンブラックとニグロシン染料を添加したプレートを作成し、その変化を観察する事にしました。

実験
色素:カーボンブラック
  :ニグロシン染料
樹脂:GF30%強化PA6樹脂  Zytel(R) 73G30L [DuPont社製]
配合処方:色素 0.05% + 二酸化チタン 0.2%

GF30%強化PA6樹脂。カーボンブラックやニグロシンで着色。

2つの色素を白色顔料(二酸化チタン)で薄めると上のような色目になります。
カーボンブラックは灰色、ニグロシン染料は青味灰色の色を示しています。
ニグロシン染料の不思議な性質はここから始まります。
人間の目は色を完全に覚える事は出来ません。
毎日、同じプレートを見ていてもあまり気付きにくいのかもしれないのですが、ニグロシン染料を添加したプレートは色が少しずつ変化して行きます。
下記に数日間のプレートの測色結果を示します。

ニグロシンのプレート測色試験

グラフに示した通り、ニグロシン染料を添加したプレートは初期(0hr)に比べ、120hrs後で⊿E=3程度、色変化する事がわかりました。
それでは、実際にどのように色が変わって行くのでしょうか?

ニグロシンを添加したプレート。Lab値。

上図には0hrsと168hrs後のL*a*b*をプロットしています。
カーボンブラックではほぼ変化がないのに対し、ニグロシン染料では青色へシフトしている事がわかります。
特に、明度を表すL*値では数値が低くなっている事から色は、青味に深く濃くなっている事がわかります。
通常、経時的に色が変化すると聞くと色素が劣化し、色が薄くなってしまう事を想像しますがニグロシン染料は色が深く、濃くなっていきます。

成形プレートの色が経時的に変化して行く現象は、粒子で存在するカーボンブラック(顔料)や他の樹脂着色用染料には見られません。
ニグロシン染料は樹脂用着色材として見ると三者三様の意見はありますが、逆にとても個性的で不思議な黒色色材と言えます。

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