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​陽極酸化被膜用黒色染料(アルマイト用染料)

ALFAST®(アルファースト)は、アルミニウム陽極酸化皮膜(アルマイト)用の水溶性染料です。

昭和38年(1963年)に、鉱工業試験研究助成金が通産省より交付され、翌年の昭和39年6月に国産化に先行したという歴史を持ちます。

古くは、一眼レフカメラのクロムボディとして、弱電製品や化粧品容器など、意外と私たちの身の回りにあるものの着色に使われたりしています。塗装とは異なり、アルミニウムの美感、質感を残した高い意匠性が注目されております。

アルマイト(陽極酸化被膜)とは

軟らかくて軽く加工性に優れたアルミニウムをアルマイト処理することにより、アルミの金属感を残しつつ耐食性・耐摩耗性が向上します。

アルマイト(陽極酸化被膜)

また、そのアルマイト皮膜が多孔質で無色透明であることから、その微細孔に染料(ALFAST)を染色し封じ込め、着色することが可能となるのです。

製品ラインナップ

ALFAST® BLACKの製品群は以下の通りです。

様々な黒色のニーズを満たすために多くのラインナップを用意しております。

また、ALFAST BLACKは、青み、緑味を含め多くの色相に差異があり、用途やデザインによって使用されております。

ALFAST BLACKの製品ラインナップ

アルマイト用染料の調色について

ALFAST BLACKのほとんどは配合色であり、青~緑味の黒色です。最近では、アルミの意匠性においては緑味黒色が好まれているようです。

 調色と一言で言っても、アルマイト用染料の調色は、絵の具を混ぜるように簡単にはいきません。

 例えば、下の図のように、紫色にちょっとだけ黄色を混ぜて黒色の染浴を作ったとします。そこにアルマイト処理をしたアルミを入れて染めても・・・必ずしも染浴と同じような黒色になるとは限らないのです。

図のように、全然違う色に染まってしまうことも多いです。

アルマイト用染料の調色

つまり、配合色のALFAST BLACKは、混ぜては染め、混ぜては染め・・・を何度も何度も繰り返してやっと完成されたのです。

 

それでは何故このようなことが起こるのでしょう?

仮に、紫色と黄色の魚が一定の割合で泳いでいる海があるとします(図5)。そこに餌のたくさん入った蛸壺のようなものを投げ入れたとしたらどうでしょう。黄色の魚が、泳ぎを得意だったとしたら、黄色の魚ばかりが蛸壺の中に入って餌にありついてしまう可能性は十分にあるでしょう(図6)。結果的に、引き上げた蛸壺には本来泳いでいたはずの割合とは異なる割合で2種の魚が入っていることになります。

アルマイト用染料の調色-2

この海が先述の染浴、蛸壺がアルマイト処理したアルミだとすると、理解しやすいかもしれません。

色素(染料)はそれぞれに、独自の大きさや性格を持っています。

このように、それが大きく異なるものを配合してしまうと、思っていた色に染まらないという結果になってしまうのです。

ですので、アルマイト用染料として調色を行う際は、個々の色素の性格をよく知ったうえで相性のいいものを混ぜるということが重要となります。

しかし、黄色の魚ような染料を隠し味にちょっとだけ入れる・・・とかいうこともおもしろい技なのかもしれません。

有機の染料がアルミを染める事実が、マイナーではありますが、とても奥が深くておもしろいALFASTの世界とALFAST BLACKに、少しでも興味を持って頂ければと思います。

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